Kotlin - クラス - 継承
公開日:2019-11-22 更新日:2019-11-23
[Kotlin]
1. 概要
継承についてです。
2. 基本
継承する場合、
親クラス側(継承元)のクラスやメソッドの前に open と付けます。
子クラス側(継承先)では、「子クラス名 : 親コンストラクタ」のようにします。
親コンストラクタは、子コンストラクタの先頭で実行されます。
オーバーライドするメソッドには、override と付けます。
親クラス側(継承元)のクラスやメソッドの前に open と付けます。
子クラス側(継承先)では、「子クラス名 : 親コンストラクタ」のようにします。
親コンストラクタは、子コンストラクタの先頭で実行されます。
オーバーライドするメソッドには、override と付けます。
open class Test {
var value1:Int = 0
var value2:Int = 0
open fun add() = value1 + value2
}
class TestEx : Test() {
override fun add():Int {
println("TestEx.add()")
return value1 + value2
}
}
fun main() {
val obj = TestEx().apply {
value1 = 100
value2 = 200
}
println(obj.add()) // 300
}
3. 継承時のコンストラクタの実行順序
親と子にそれぞれプライマリーコンストラクタとセカンダリーコンストラクタがある場合、
親プライマリー、親セカンダリー、子プライマリー、子セカンダリー の順で実行されます。
実際には最初に子セカンダリーが呼び出されますが、各コンストラクタの先頭で上位のコンストラクタを遡って呼び出すため、このような順序になります。
イメージ
実行結果
main() で TestEx(1, 2, 3) の方を有効にすると、以下の結果になります。
また、子クラスのプライマリーコンストラクタがない場合は、super() を使って、子のセカンダリーから直接親のコンストラクタを指定できます。
実行結果
親プライマリー、親セカンダリー、子プライマリー、子セカンダリー の順で実行されます。
実際には最初に子セカンダリーが呼び出されますが、各コンストラクタの先頭で上位のコンストラクタを遡って呼び出すため、このような順序になります。
イメージ
子セカンダリー {
子プライマリー {
親セカンダリー {
親プライマリー {
init { }
}
親セカンダリーの初期化処理()
}
init { }
}
子セカンダリーの初期化処理()
}
open class Test {
constructor(v1:Int, v2:Int) {
println("2 : Test の constructor")
}
init { println("1 : Test の init") }
}
class TestEx(v1:Int, v2:Int) : Test(v1, v2) {
constructor(v1:Int, v2:Int, v3:Int) : this(v1, v2) {
println("4 : TestEx の constructor")
}
init { println("3 : TestEx の init") }
}
fun main() {
TestEx(1, 2)
//TestEx(1, 2, 3)
}
実行結果
1 : Test の init
2 : Test の constructor
3 : TestEx の init
main() で TestEx(1, 2, 3) の方を有効にすると、以下の結果になります。
1 : Test の init
2 : Test の constructor
3 : TestEx の init
4 : TestEx の constructor
また、子クラスのプライマリーコンストラクタがない場合は、super() を使って、子のセカンダリーから直接親のコンストラクタを指定できます。
open class Test(v1:Int) {
constructor(v1:Int, v2:Int): this(v1) {
println("2 : Test の constructor")
}
init { println("1 : Test の init") }
}
class TestEx : Test {
constructor(v1:Int, v2:Int, v3:Int) : super(v1, v2) {
println("4 : TestEx の constructor")
}
init { println("3 : TestEx の init") }
}
fun main() {
TestEx(1, 2, 3)
}
実行結果
1 : Test の init
2 : Test の constructor
3 : TestEx の init
4 : TestEx の constructor
4. メソッドのオーバーライド
継承元には open を付け、継承先では override を付けます。
また、子クラスから親クラスを参照する場合は、super を使います。
実行結果
また、子クラスから親クラスを参照する場合は、super を使います。
open class Test {
open fun test() {
println("1 : Test.test()")
}
}
class TestEx : Test() {
override fun test() {
super.test() //親メソッドの実行
println("2 : TestEx.test()")
}
}
fun main() {
TestEx().test()
}
実行結果
1 : Test.test()
2 : TestEx.test()
5. プロパティのオーバーライド
アクセサーをオーバーライドできます。
get() と set() の片方を省略した場合、親のアクセサーではなく、 デフォルトのアクセサーが使われることに注意してください。
実行結果
get() と set() の片方を省略した場合、親のアクセサーではなく、 デフォルトのアクセサーが使われることに注意してください。
open class Test {
open var value:Int = 0
get() {
println("Test.value.get()")
return field
}
set(v) {
println("Test.value.get()")
field = v
}
fun test():Int {
return this.value
}
}
class TestEx : Test() {
override var value:Int = 0
get() {
println("TestEx.value.get()")
return field
}
set(v) {
println("TestEx.value.set()")
field = v
}
}
fun main() {
val obj = TestEx().apply {
value = 100 // obj.value = 100
}
println(obj.test())
}
実行結果
TestEx.value.set()
TestEx.value.get()
100